市監査委員、「産業廃棄物」と断定、市長に措置を勧告/オンブズマンの住民監査請求結果

update 2004/1/17 12:41

 三和廃棄物処理産業(現・清算法人)の不法投棄事件で函館市監査委員は16日、原状回復作業で生じた廃棄物を「産業廃棄物」と断定し、井上博司市長に対し、すでに一般廃棄物として徴収した分の差額を30日以内に徴収するなどの措置を講じるよう勧告した。道南市民オンブズマンの大河内憲司代表ら8人が、原状回復作業で生じた廃棄物を市が産廃よりも安い一般廃棄物として扱っていることは違法・不当として、昨年11月に行った住民監査請求の結果として発表。同オンブズマンの主張をほぼ全面的に認めた。

 福士進・市監査事務局長が市役所で結果を公表。「措置命令で掘り起こした産業廃棄物は産廃ではない」とする市の解釈を「法的根拠が認められない」とした。また「産業廃棄物は産業廃棄物処理基準が適用されるべき」との趣旨が廃棄物処理法から解されることから、「市の解釈は法の趣旨から逸脱する」と説明した。

 同オンブズマンは監査請求で、昨年10月31日までに「三和」が最終処分場に搬入した約1万トン(推計)について、産廃と一廃の差額分3700万円の徴収を市長に勧告するよう要求。実際の搬入量と差額は監査委員の調査の結果、10月31日までの分で1万1351トン、約4439万円に上ることが判明した。

 勧告はこの差額分の徴収に加え、今後も産廃として埋立処分場使用料を徴収するよう改めるよう市長に求めている。

 ただ、同法では災害などの特別な事情があると認めた際、市長が料金を減免することを認めており、市が減免措置を講じる可能性も残る。このため、勧告では措置を講じるべき差額に関し、「市の対応によっては変動する可能性がある」として明記していない。

 これを受けて、市の西尾正範助役は市役所で会見し、「監査結果を真しに受け止め、対応策を検討したい」とコメント。大河内代表は「正当な法令解釈だ。市は法令を勉強し、公正かつ適正な適用をしてほしい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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