下山さんが土方歳三の肖像画を寄付

update 2004/1/9 10:18

 函館市出身で全日本肖像美術協会名誉委員の下山正八さん(84)=札幌市豊平区=が制作した油彩肖像画「土方歳三」(縦約165センチ、横約120センチ)がこのほど函館市に寄贈され、市は8日、下山さんに感謝状を贈呈した。将来的には、復元予定の箱館奉行所(五稜郭公園内)で展示される予定。

 下山さんは1937年に函館商業学校を卒業し、函館製網船具に勤務。76年に同社を定年退職した後、同協会に入会し、中学生時代に始めた油絵に本格的に取り組んだ。これまでに約2000人の肖像画を描き、同協会全国展入選12回などの実績を誇る。

 幕末の志士、新選組副長として現存する土方の写真を手掛かりに創作。95年から資料を集め、98年に完成した。たくましく、生き生きとした土方が刀を手にしていすに座っている。下山さんは「写真の中の土方は寂しそうで、病身に見えた。りりしく、立派な土方を描きたかった」と振り返る。背景の地球儀やランプ、土方の服装などは図書館で調べるなど、「当時の文化程度も表したかった」という。

 西尾正範助役らと懇談した下山さんは、「病気で倒れる前の、元気なころに描いた作品で、心に残る作品の一つ」と、額縁に収めされた自作に目を細めた。市は「この絵を見るために函館を訪れる人が増えてくれれば」と期待している。

 肖像画は20日まで市総合福祉センター(若松町33)で一般公開され、その後、市立函館博物館五稜郭分館などで展示の予定。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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