白百合高・高橋さん、女子ラグビー強化選手に
update 2004/1/6 11:29
「夢はワールドカップ」―。2006年に行われる女子ラグビーのワールドカップ(開催地未定)に向け、昨年9月に日本女子ラグビー協会が実施した強化選手の一般募集に、白百合高2年の高橋奈々子さん(函館市本通)が見事合格。ラグビーを始めたばかりの高橋さんだが、抜群の運動能力で関係者の注目を浴びている。函館では女子ラグビーの環境が十分でなかったが、函館ラグビー協会などが練習場の確保に努め、高橋さんをサポートし始めた。151センチと小柄だが、大きな闘志を燃やし夢舞台に挑む。(山崎純一)
ラグビーを始めてまだ半年。家族や周囲からの応援を受け練習に励む高橋さんは、「せっかくつかんだチャンス。絶対、W杯出場の夢を実現したい」と胸を膨らませている。
女子ラグビーは2002年5月、スペインで第4回ワールドカップが開催された。日本も出場し、参加16カ国中14位だった。国内には約20の女子クラブチームがあり、全日本の強化指定選手もいる。今回の強化選手公募は、クラブに所属していない初心者も交え、将来の活躍が予想される逸材を発掘しようと行われた。
昨年7月中旬、公募の話を聞いた高橋さんは迷わず受験を決意。激しいスポーツが大好きな高橋さんは、ルールも分からない状態で函館の不惑チームや、函館少年ラグビースクールの中学生らと練習に取り組み始めた。「激しさは期待通り、楽しかった」。すっかりラグビーのとりこになり、同9月のテストを迎えた。
テストには、全国から48人が参加、15種類の運動能力テストが行われた。小さいころから陸上に取り組み、脚力に自身がある高橋さんだったが、最初の50メートル走で右足の肉離れを起こしてしまった。高橋さんは「絶対に合格したい」と気合を込め、足を悪化させながらもテストを続け、見事に合格。「自分を出し切れず、テストはだめだと思っていた。受かって信じられなかった」と喜びを話す。
現在は東京や大阪で2カ月に1度行われる強化練習参加に向け、練習を積み重ねている。今まで函館には女子ラグビーの練習環境が整ってなく、ラガーマンだった父、浩三さん(46)や、函館ラグビー協会が高橋さんを全面的に応援。実戦練習場の確保に尽くしている。
浩三さんは函西高出身で、元オール北海道の選手。「基礎体力はどんな形でもつけられるが、ゲーム感覚は実戦でないと身につかない」と練習環境を整える。スクールのほかに、函高専、函工の練習への参加を実現させた。「あとは本人のやる気でしょう」と、まな娘を見守る。
練習先の函高専の浦田清監督は「まだ初心者だが、運動能力は素晴らしい。練習を積めば成功するだろう」と期待を込める。昨年11月に行われた1回目の強化練習でも、スピードあふれるプレーが指導者の目に留まり、注目されているという。
バックアップも整った中、高橋さんは「少しずつだけど自分を伸ばしていきたい。W杯出場は自信あります」と夢舞台に向け、走り続けている。
提供 - 函館新聞社
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