市、新年度から香雪園の環境整備へ
update 2004/1/5 11:45
函館市は新年度から、国の名勝指定を受けている旧岩船氏庭園(市内見晴町、通称・香雪園)の環境整備に取り組む。庭園内の石のバランスなどを調査して造成当時の形態に戻すことに加え、庭園内の園亭や温室などの建造物を造成当時に復元するのが目的で、市は2009年度まで、6カ年での整備を予定。国から事業費の交付を受けることも決まり、来年度は庭園の現況調査に取り組む方針だ。
旧岩船氏庭園は、道内有数の呉服商、故岩船峯次郎が1898(明治31)年ごろに別荘地として造成を開始、大正期までに現在の形となった。13・3ヘクタールの土地は書院風の純和風園亭に加え、れんが造りの西洋風温室などで構成され、「全国的にも珍しい、自然の地形を生かした構造」(市教委文化財課)が特徴。
59(昭和34)年には見晴公園の一部として公有化され、2001年には庭園として道内で唯一、国からの名勝指定を受けている。
造成から100年近く経過しているため全体的に老朽化が進んでおり、市は整備を計画。具体的には園亭、温室と、倉庫にあたる「板倉」復元整備にあたる。造成当時の図面はないものの、絵はがきなど当時の形態が分かる資料を参考に当初形態に近づける方針。当面は建物の腐食調査を進めていく構え。
庭園全体は、年数を経ることで、当時と形態が変わっている可能性があることから、大きな石などのズレや傾きなどを調べる。庭園そのものの修復は「道内でも事例がない」(同課)といい、国に加え、庭師など専門家の意見を聞きながら作業を進める考え。
財源は、五稜郭跡整備を含めて、国から1億400万円の交付を受けることが内定している。
提供 - 函館新聞社
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