今夏の参院選、道選挙区は過熱の様相
update 2004/1/3 12:04
今夏に予定されている参院選道選挙区(定数2)は、自民党現職の中川義雄氏(65)=当選1回=、民主党現職の峰崎直樹氏(59)=当選2回=が、それぞれ公認を得て出馬態勢を整えている。二大政党制への流れが強まる中、昨年11月の衆院選で道内議席を失った共産党は新人の岡千陽氏(40)=前札幌市議=を擁立し、社民党も候補擁立に向け大詰めの作業の展開。胃がん手術のため衆院選出馬を断念した鈴木宗男前衆院議員(55)の動向も加わり、選挙戦は一気に過熱しそうな情勢だ。道内各党の戦略などを探った。
◆自民党道連◆
先の衆院選では復活当選を含め小選挙区出馬11人全員が当選した民主に比べ、自民は公明との強固な選挙協力を構築したものの8議席にとどまった。道連は新会長に橋本聖子参院議員を据え、参院選への態度固めを図ったが、楽観論は影を潜め、清水誠一幹事長も「民主に水をあけられたのは事実」と厳しい。
ただ、2000年6月の前回衆院選に比べると、小選挙区も道比例区も自民の総得票数は増加しているだけに「政権政党たる自民への道民の期待は依然大きい。参院選でも(中川氏の)党農林部会長という実力と実績が、一次産業を基幹とする本道で有利に働く」とみる。公明とは政権与党として選挙協力を堅持したい考えだ。
◆民主党北海道◆
衆院選で勝利を収め道内の首座についた勢いを、峰崎氏の3選完勝に結びつける構え。十勝を除く道内全域の衆院議員がフル回転し、連合北海道などとも連携。盤石の態勢で臨む。佐々木隆博幹事長は「衆院選は政権交代の第一ステップ。政策が選挙の大きな要素であることを今度の参院選で定着させ、その後の政権交代実現に直結させたい」と意気込む。
イラクへの自衛隊派遣問題を政治的課題と位置付け、現状での派遣反対姿勢を鮮明に打ち出すことで、共闘できる団体と運動を盛り上げ、その絆(きずな)を参院選にも生かしていく作戦。比例区の北海道ブロック重点候補とした現職の信田邦雄氏(66)と連携、選挙戦の盛り上げも図る。
◆共産党道委員会◆
自民、民主の指定席的な色彩が強い道選挙区で、さらに二大政党へのうねりが逆風となる中、岡氏擁立で新味をアピールする。小笠原功代表代行は「衆院選では議席を失ったが、参院選で捲土(けんど)重来を期す。二大保守体制の対抗軸として、党の存在意義を訴えたい」と決意を示すが、本道選出の国会議員がゼロとなったショックは強い。
岡氏の女性としての視点や若さを前面に打ち出すと同時に、本道と東北・北関東ブロックの比例区重点候補、現職の大門実紀史氏(47)との連携を強化し、悲願の本道議席確保に挑む。
◆社民党道連合◆
共産同様、衆院選で道内議席を失い、全国的にも党存亡の危機に立たされているだけに、島田俊明幹事長は「このままでは埋没するとの危機感が強い。福島瑞穂新党首の初の選挙であり、平和や護憲など社民党だから言えることを訴えていきたい」と語る。候補擁立は2月の道連合大会で最終決定することになるが、比例区との連動も視野に主戦論が根強い。
◆公明党道本部◆
道選挙区候補は擁立せず、比例区で現職の風間昶氏(56)を本道と東北・信越の重点候補に据えた。道内で50万票を目指し、連立与党の中で果たしてきた公明の実績、風間氏の環境や子育てなどの取り組みを訴える作戦。森成之幹事長は道選挙区での選挙協力に関し「自公の政権与党の枠組みが基本だが、現状はまだ白紙」としている。
提供 - 函館新聞社
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