「おしま西部再発見会議」が函館―松前の観光ルート策定へ

update 2004/1/2 11:11

 渡島支庁と渡島西部6市町の観光関係者で組織する「おしま西部観光再発見会議」が今春、食と歴史を結びつけ、函館市から松前町までの観光ルートを策定する。テーマは「『中世―幕末・明治の歴史』と『豊かな食』を巡る」。道内屈指の歴史を誇り、海の幸に恵まれた豊富な観光資源を磨き直すことで、函館に滞留する観光客を周辺町に誘い出すのが狙いだ。3月にはルートマップ1万部を発行し、旅行会社に売り込みを図る。低迷する渡島観光の復興を目指し、各町自慢の“一品”が輝きを取り戻す。

 「函館の観光が強すぎるので、食をブランド化すべき」「食は旅の動機になる。もっと工夫を」―。渡島支庁は昨年10月、旅行会社や旅行情報誌など観光関係者を招待、各町が売りだしたい観光資源を駆け足で視察した。関係者の意見は「食」に特化した取り組みを勧める意見が圧倒的だった。

 他地域がうらやむほどの食資源に、観光のプロが目を付けるのは当然と言える。知内町のマコガレイやニラ、松前町のマグロやヤリイカ、松前漬け、木古内町のアンコウなど。季節の幸をひとくくりにするだけでも、新たなルートがイメージできる。

 問題は「食べる場所」の確保。残念ながら松前町を除いて、自慢の食材を扱っている飲食店や旅館がほとんどない。このままでは宝の持ち腐れになってしまう。

 大切な観光資源を磨き上げるには、地域ぐるみの取り組みが欠かせない。渡島西部ブランドの定着が、魅力アップの鍵を握る。自治体の枠を越えたプロジェクトは踏み出したばかりだ。

 【上磯町】
 1855(安政2)年幕府の命を受けて松前藩が築いた四稜郭「史跡松前藩戸切地陣屋跡」。蝦夷(えぞ)地防衛を担ったが、箱館戦争で焼失した。上磯町を代表するサクラの名所として、知られている。

 【木古内町】
 寒中みそぎで有名な「佐女川神社」、山門と本堂の間をJR線が横切り、踏切のある「禅燈寺」がお勧め。明治初期に沈没した旧幕府軍艦「咸臨丸」の終えんの地、「更木岬」も歴史の息吹を感じさせる。

 【知内町】
 マコガレイで一躍脚光を浴びた知内町。マコガレイやカキ、ニラなど地元特産の食材を使った料理を売りにしようと、町ぐるみで動き出した。マコガレイが水揚げされる中の川漁港では、直販もしている。

 【福島町】
 福島町が新しい名産としてブランド化を進める「千軒そば」。同町千軒で栽培したソバを、定期的に手打ちそばで振る舞っている。「横綱記念館」では名横綱千代の富士の姉に、館内を案内してもらえる。

 【松前町】
 松前城、松前藩屋敷など江戸時代の面影を残す。古刹(こさつ)が立ち並ぶ「寺町」ではガイドの説明を受けながら散策できる。海の幸をふんだんに使った料理が売りで、豪快なマグロの水揚げは一見の価値がある。

提供 - 函館新聞社



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