桧山南部5町 熊石が離脱
update 2003/12/27 12:51
【江差】桧山南部5町合併協議会が26日に桧山支庁で開かれ、会長の藤村正二熊石町長が正式に離脱を表明。厚沢部、江差、乙部、上ノ国の4町は、後任に濱谷一治江差町長を選出、来年2月上旬に4町で法定協議会に移行する方針で一致した。法定協では2005年3月の合併特例法期限内を目標に合併協議を進める方針だ。
協議会の冒頭、藤村熊石町長が北渡島任意合併協議会(会長・山内尊洲八雲町長)への参加と協議会離脱を表明。退席後に記者会見して「桧山管内を分断する形となり心苦しいが、熊石の未来を考えた上での判断」と述べた。離脱の理由については(1)医療や経済面で既に八雲町の圏域にある(2)財政の優位性(3)海洋深層水の販路拡大に期待が持てる―などを挙げた。
残る4町は今後の協議体制を検討。町の規模などから濱谷江差町長を会長、川口肇・厚沢部町議会議長を副会長に選出。事務局を江差町役場に置くことで合意した。
法定協移行に向けた日程は、来年1月9日に4町助役による幹事会で協議会設置要綱改正案を策定。同14日に開く最後の協議会で要綱を承認。同15―20日前後にも各町で臨時町議会で議決を求め、2月上旬にも法定協に移行する方針だ。
濱谷会長は「4町は意思統一できた。桧山の枠を飛び越えた熊石町には頑張って欲しいとエールを贈った」と述べた。
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明日は大きな1日になる―。25日夕、熊石町幹部がつぶやいた。渡島半島を横断、支庁を超えた合併は前例がない。「戸惑いは大きい。それは町民も町長も同じだ」
任意協発足後、5町を車で回った。「5町の面積は1500平方キロ。10平方キロ規模の町が合併する本州とは違う」。全国一律の合併議論に疑問を感じた。「八雲とは向かい合わせ。背中合わせじゃない」。自ら言い聞かせるようにつぶやいた。
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熊石町の離脱で、残る4町の人口は国が市の要件に定めた3万人を下回る。離脱を見越した任意協で、市昇格の話題は盛り上がらなかったとはいえ「共通目標を失ったのは事実だ」(関係者)。
市町村連合など「緩やかな合併」も視野に入れる乙部町に対して、合併を急ぎたい町の不信感は臨界点に近づいている。役場所在地や年収で50万円以上の格差がある職員給与問題など、核心の議論も火種になりかねない。法定協に向かう南部4町。距離感が近く気心も知れた間柄だが、結束の強化が最優先課題だ。
提供 - 函館新聞社
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