米国の牛肉BSE問題で道南にも波紋

update 2003/12/25 12:21

 米国でBSE(牛海綿状脳症)感染が疑われる牛が発見され、24日、農水省や厚労省が米国産の牛肉や加工品、生きた牛などの輸入全面停止を決めたことで、道南でも波紋が広がっている。一部スーパーが同日、米国産牛肉関連商品を店頭から撤去したほか、他店でも軒並み販売見合わせを検討。飲食店ではメニューを変えるなど、対応に追われている。クリスマスや正月を控え、需要期を迎えているさなかの出来事に、流通業やサービス業関係者は不安の色を隠せないでいる。(喜多真哉、小泉まや、後藤泰良)

 函館市昭和のホクレンショップ函館昭和店は米国産などの牛肉関連商品16品目を店頭から除いた。同店は道南ブランド牛「はこだて和牛」をメーンに9割が国内産のため、「直接的な影響は少ない」とみているが、「年明け以降、風評被害の拡大や国内産の価格が高騰する可能性は否定できない」と危機感を募らせている。

 他のスーパーでも25日以降、対策を講じる考えで、国内産やオーストラリア産にシフトする意向だ。牛肉関連商品の3割を米国産で占めるテーオーストアは「あす以降に販売自粛を含め考えたい」とし、4割に上る北海道スーパーマーケットダイエーは「報道をみている限り、販売の継続は難しい」としている。

 飲食店も対応に苦慮している。同市美原の牛丼チェーン「吉野家」は材料の99%を米国産に依存しており、「25日までには対応策を決めたい」と影響を最小限に抑えようと必死だ。また、同市富岡町のある焼き肉店では、急きょ、レバー、サガリ、牛ミノなど、米国産の商品をメニューからはずした。一方、「客からの問い合わせがないし、検査済みの物しか入っていないので、風評被害も心配していない」(同市白鳥町の焼き肉店)との声もあり、慎重な対応が求められている。

 函館消費者協会の米田イツ会長は「市民は食の安全について敏感になっている。輸入禁止は当然の措置で、やむを得ないのでは」と話している。

提供 - 函館新聞社



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