森田芳光監督トークショー

update 2003/12/21 11:11

 映画やテレビドラマの撮影を支援する「はこだてフィルムコミッション」(FC)の設立記念イベントとして、映画「キッチン」などの函館ロケでも知られる森田芳光監督の「トーク&シネマの夕べ」が19日夜、市営函館競輪場2階テレシアターで行われた。函館のまちやフィルムコミッションの意義について語ったほか、来年函館などを舞台に、谷村志穂さん原作の小説「海猫」の撮影を行うことを明らかにし、集まった約260人のファンを喜ばせた。

 森田監督は東京出身。最新作「阿修羅のごとく」などのほか、「ときめきに死す」(1984年)、「キッチン」(89年)などの作品で知られる。函館にマンション、大沼に別荘を持ち、市内での滞在機会も多く、函館への思い入れが深い。

 同FCが16日に設立したことを受けての催しで、森田監督は函館で撮影した2作品の思い出を挙げ、FCの意義について「今では映画・テレビを作る人々にとって一般的となった。映像を通じ、函館の風景や人間を(見る人の)心に植え付けることは大事」と語り、「海猫」のロケに関しては「現在、スタッフがロケハン(下見)の最中。FCの皆さんにもお世話になります」と語った。

 函館の良い点、悪い点について「実際に住んでみて、空気、食べ物、風景など良く、谷地頭町や杉並町の住宅街といったところも魅力的。一方で、人見知りする部分があり、観光都市として、もう少しもてなしの心が大事なのでは」とも。また「函館に映画の撮影所やスタジオ、オープンセットがほしいですね」と愛情たっぷりに語り、ファンを魅了した。

 講演後には「キッチン」が上映された。(福士雅巳)

提供 - 函館新聞社



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