市立函館病院に簡易型隔離病室を設置

update 2003/12/20 11:07

 市立函館病院(長谷川正院長)は来週中にも、同病院の感染症病棟に道南初となる簡易型隔離病室を2床設置する。東アジアなどで冬場に再流行する懸念がある新型肺炎(SARS)の患者に対応し、他者への感染を防止する。同院は「SARS患者発生時の受け入れ態勢充実を図った」と話している。

 同院は赤痢、コレラなどの感染症患者の受け入れが可能な「第2種感染症指定医療機関」で、感染症病棟には現在、10床を設置している。

 簡易型隔離病室は、ベッドを透明のビニールカーテンで囲って内部の気圧を下げることで、病原体を外部に漏れないようにする施設。この病室が道内で設置されているのは札幌、旭川、名寄と後志管内倶知安町の計4カ所しかなく、万が一、函館・道南で患者が出た場合、一番近い場所で倶知安町に移送しなくてはならなかったという。

 治療体制の確立を迫られていた同院は、道から全額補助(440万円)を受けて購入することを決定。併せて、ナースステーションで患者の状況を確認するためのベッド横のモニター(4台)を市が独自に購入し、先に閉会した市議会定例会で関係経費1070万円を計上、議決された。

 この病室はSARS以外の感染症にも使用可能。同院では「患者を倶知安や札幌まで移送するのは負担が大きく、地元で発生した患者は地元で治療すべきと考えている。導入によって、患者が一定の治療を受けることができる」(医事課)と話している。

提供 - 函館新聞社



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