江差 五勝手漁港にハタハタの大群

update 2003/12/19 10:06

 【江差】先週末ごろから、江差町の五勝手漁港内に、同町沿岸では珍しいハタハタの大群が押し寄せ、岸壁上は、釣り人たちで浜は時ならぬにぎわいをみせている。

 漁獲量の減少から一時期は庶民の口には入らない「高級魚」となってしまったハタハタ。同漁港に大群が入り込んだのは先週末ごろ。15センチ超の大物も多く「漁港をぐるぐる回遊して、魚の群れが黒く渦巻いていた」(近くの住民)とおいう。

 町内の釣りファンによると、釣りざおや網で1日に60―100匹捕った人もいるという。深夜にもかかわらず、自動車のヘッドライトを海面に向けて、ハタハタ釣りに熱中する人の姿もみられたほど。卵を抱えたメスも多く「煮魚にしたら最高だった」「沿岸で産卵しないかな」と、釣りファンの話題をさらった。

 ここ数日は群れが漁港を遠ざかったが、再来に期待の声も上がる。

 町農林水産課によると江差港でハタハタの水揚げはほとんどなく、時ならぬ大群出現に驚いた様子だ。同課では、届けられたハタハタを道立函館水産試験場に送り、魚体や骨などの特徴から生息海域などを詳しく調べてもらっている。

 ハタハタの“本家”秋田では、昭和40年代に沿岸漁業で年間2万d前後の漁獲があったが、乱獲もあり、資源数が激減。平成に入り、水揚げ量が最盛期の100分の1以下に減ったことから県が3年間禁漁とし、資源の回復を図った経緯がある。秋田沖ハタハタの減少は、海水温や回遊の変化なども原因に挙げられている。

提供 - 函館新聞社



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