再編・統合の江差・江差南高の選択科目に「江差追分」導入
update 2003/12/12 11:33
【江差】新年度から道内初めての全日制普通科単位制高校に再編・統合する江差高(大山芳男校長)と江差南高(浅野吉保校長)は、2005年4月から、生徒が希望に応じて履修できる選択科目に「江差追分」を設けることを決めた。地域の郷土芸能を選択科目に導入した例は全道的にも珍しく、江差町では、江差追分の伝承普及を進める画期的な取り組みとして期待感を示している。
授業は、進路や興味に応じて科目が選択できる2、3年生が対象。年間を通じて週2時間の授業を受ける。歌唱指導が中心の実技、ルーツや変遷などを学ぶ演習の2本柱で構成するという。
歌唱指導などを務める講師は、江差追分会(濱谷一治江差町長)や江差追分会師匠会(青坂満会長)に派遣を求める考えで、両会も協力に前向きな意向を示している。
再編校は、道内初の全日制普通科単位制高校に移行。1年は必修科目が中心、2、3年から、大半が選択科目となる。学年の枠を外して、生徒の進路や興味に応じて生徒一人ひとりが違う時間割りで授業を受ける。
大山校長は「追分という地域の芸術を地元で学ぶ機会を提供する。同時に本場で追分を学びたいという全国の中高生も受け入れたい」と話す。
在校生が卒業する2006年度で閉校を迎える江差南高では、全国唯一の「追分部」が活躍。江差追分会から支部の認定も受けている。大山校長は「両高の特徴を最大限に生かした学校づくりが大切。江差南高の閉校後は追分部も継承して、授業と部活の両輪で追分の普及伝承に貢献していきたい」と話している。
江差町の飯田富洋教育長は「地域の財産である追分を授業に取り入れることをうれしく思う。江差町は追分を学ぶ社会人を『追分留学生』として受け入れているが、今後は中高生レベルの交流にも期待できる」と話す。
また、山崎透江差追分課長も「追分のすそ野を広げる取り組みだ。全国の支部からは江差で活躍する師匠を講師に派遣してほしいという要望が強い。本場で追分を学びたいという全国の受験生が江差高を目指してほしい」と期待している。
提供 - 函館新聞社
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