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update 2003/12/11 10:16

 【江差】厚沢部、江差、乙部、上ノ国、熊石の5町で組織する合併に関する任意協議会、桧山南部5町合併問題協議会(会長・藤村正二熊石町長)は、各町議会で来年1月末をめどとする、法定協議会移行の是非を議論する段階に入った。26日にも開く協議会では法定協の枠組みが事実上固まる見通しだ。一方で森・砂原両町が離脱、分裂状態となった「北渡島」任意協の流動化は、同協議会にも波紋を広げ、法定協移行をめぐる議論は大きな岐路に立っている。

 5町のトップを切って10日、厚沢部町議会が開会する。5日の同協議会では法定協移行に慎重姿勢を示した澤田孝一町長だが、定例会では法定協移行に前向きな姿勢を打ち出す意向とみられる。

 同町が移行のハードルとみるのは、5町間の財政力格差の解消だ。他町が危機的な財政運営を迫られる中、同町は全国的な財政の「優等生」だ。

 「苦労して積み立てた基金を他町の借金返済に使うことは感情的に許されない」(町幹部)のが本音だ。「法定協で納得できる方策を講じられなければ、町民の納得は到底得られない」と、澤田町長は表情を引き締める。




 「桧山南部、北渡島にしても判断する時間がない…」。藤村熊石町長は苦悩の色を深める。同町は11月、八雲町から水面下で「北渡島」合流も視野に入れた勉強会への参加を打診された。同町長は任意協会長の立場から、回答を先送りにした。だが、八雲町の動向は熊石以外の4町も注視している。

 ある町長は「1町が離脱すれば、スケールメリットを失い合併の魅力が半減する。4町の枠組みでは持たない。協議は出発点に逆戻りする恐れがある」と懸念を示す。

 藤村町長は「現時点で八雲との具体的折衝は無い」と話す。だが、国道277号を通じた町民レベルの交流の深さを考えると「北渡島も考慮せざるを得ない」と胸中は揺れる。桧山南部、北渡島の両にらみで、町民懇談会や町議会を通じて方向性を見極める考えだ。

提供 - 函館新聞社



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