正月用に「くじら汁」販売
update 2003/12/10 12:46
道南でも、正月料理として親しまれているくじら汁を「そば処ふでむら五稜郭店」(筆村晃店主)が、その名も「函館くじら汁」として製造、販売をスタートした。作るのに手間がかかり材料のクジラの高騰から、食べる機会が減ったことに着目、手軽に食べられるようにと、市内でも珍しい冷凍パックで販売。正月料理の一品としてはもちろん、道南から地方に出ている人にも“故郷の味”として人気を集めそうだ。
くじら汁は黒い皮の付いた脂身にキャベツやニンジン、豆腐などの具が入ったしょう油味の汁。正月料理として函館を含む道南から、東北でも食べる習慣がある。脂身から出るまったりとした味が特徴で、正月のくじら汁には大漁祈願の意味が込められているという説もある。最近では商業捕鯨禁止による値段の高騰や、塩抜き作業など手間がかかることから、食べない家庭も少なくないという。
きっかけは筆村店主が、別に出店している朝市駅二店周辺の業者から「出来合いのくじら汁がない」「好きな人はいるが、最近は家庭で食べていない」と聞いたことから。パック詰めのものは、ほかには出ていないこともあり、家庭で手軽に楽しめるようにと取り組んだ。
筆村店主の祖父母のレシピを参考とし、試行錯誤の末、クジラなど10種類の材料のほか、そばつゆの素となる店独自の「かえし」でまろやかさを出した。冷凍パックのほか、店でも「くじら汁セット」(980円)として、そばや天ぷらとのセットを15日から提供する。
将来的には新たな函館土産の1つとして、レトルトパックでの販売も予定。「以前は食べていたが今は…という人は多いはず。手軽に昔懐かしい家庭の味を楽しんで」と筆村店主。価格は2人前500ミリリットル入りで880円(税別)。市内への配送もするほか、地方発送も受け付けている。問い合わせは五稜郭店TEL32・5014。(福士雅巳)
提供 - 函館新聞社
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