渡島管内 農家人口減る一方

update 2003/12/5 12:01

 渡島管内の農家が減少の一途をたどっている。道が4日までにまとめた2002年の離農に伴う農地流動化状況調査によると、渡島管内の離農戸数は前年比50・0%減の17戸。下げ止まりにみえるものの、平均離農年齢は全道トップの67・2歳に上り、高齢化が如実に表れた。農家子弟以外で新たに就農する新規参入者は、前年に続き今年もゼロの見通し。道は2015年に、渡島の農家人口が半減するというショッキングな予測を立てている。

 農地流動化状況調査は昨年1月1日から12月31日までに、農地、採草放牧地を処分し、農業を廃止した農家が対象。管内の離農戸数は2000年が34戸、01年が34戸で、02年は歯止めをかけたかにみえる。処分面積も前年比66・1%減の46ヘクタール、一戸当たりで同32・5%減の2・7ヘクタールになった。

 だが、平均離農年齢は全道平均63・1歳を4・1歳上回り、離農理由は労働力不足が9戸、後継者問題が6戸。渡島支庁によると、農家に占める65歳以上の割合でも渡島管内は39・0%で道内1位になり、高齢化の波が押し寄せている。

 2002年の新規参入者は3年ぶりにゼロ。今年も年内の参入に、めどが付いていない。

 現状が続くことを前提にした道のシミュレーションでは、管内の農家人口は2000年の1万6724人が、15年には7673人と54・1%減。農家戸数は4347戸から2122戸に減少する。

 離農跡地を他の農家が引き受けるために、一戸当たりの耕地面積も6・2ヘクタールから11・8ヘクタールに倍増。それでもすべては受け入れられず、全体の耕地面積は2万7000ヘクタールから2万5004ヘクタールに減少する試算だ。

 とりわけ、農家人口の減少率が高いのは、椴法華村92・8%、南茅部町85・2%、戸井町83・7%と漁村部。農村地帯の大野町で43・1%減、七飯町で35・8%減となり、函館市は64・1%減で1000人台を割り込む見通し。

 渡島支庁は「新規就農者を増やすために、担い手対策を考えないと大変なことになる」(農務課)と警鐘を鳴らしている。

提供 - 函館新聞社



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