疑似衛星でデータ収集

update 2003/12/3 11:01

 準天頂衛星システムに見立てた「擬似衛星」とGPS(衛星利用測位システム)を使って移動物体の位置を測る実験が2日、公立はこだて未来大学で行われた。GPSだけの場合10メートル近くある誤差が、数十センチ程度まで縮められることが可能という。将来的には列車の安全運行を確保する新技術をはじめ、防災・防犯対策など幅広い分野への応用が期待される。

 同大と独立行政法人交通安全環境研究所の共同実験。同大情報アーキテクチャ学科の鈴木恵二助教授、国土交通省の石丸周象技術安全課長、同研究所の水間毅上席研究員、民間の新衛星ビジネス(本社・東京)の吉田富治常務ら約10人が立ち会った。

 午前10時前から実験を開始。擬似衛星の電波とGPSを受信する機器を積んだワゴン車を人間の早足程度のスピードで約50メートル走らせ、位置を測定。擬似衛星の電波は同大校舎屋上部2カ所に取り付けた機器から発信し、GPSは実際の衛星電波をキャッチした。

 実験グループは、GPSと準天頂システム電波を併用した場合、GPSだけを利用する場合などを繰り返し、データを収集。「準天頂システムの有効性を示すデータが取れた」(新衛星ビジネス)などの声も聞かれた。同グループはデータを分析し、今後の有効性や課題を探る方針。

 同研究所によると、列車の安全運行を確保するシステム(信号保安システム)は現在、線路を流れる微弱電流を使って信号を切り替えて制御している。システム設置や保守管理には多大なコストがかかっており、「特に地方路線でのコスト削減に有効では」(石丸課長)という。

 来年2月、熊本市で路面電車を使って車両位置の測定、電波ノイズ、位置検知の安定性などを調べる予定。(吉良 敦)

提供 - 函館新聞社



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