メスザルにホルモン剤

update 2003/12/2 10:48

 函館市水道局は1日、頭数増加が指摘されている函館市営熱帯植物園のサルの飼育環境改善を目的に、10月にメスザル55匹に繁殖を抑制するホルモン剤を埋め込む手術を行ったことを明らかにした。昨年は餌にホルモン剤を混ぜて投与したが、7月までに子ザル8頭が出生したため、新たな試みで出生数の抑制を図った。この手術は2、3年効力があるとされ、同局は2、3年おきに継続して行う方針だ。

 同日の市上下水道事業等経営審議会(韮澤憲吉会長)で、同局が報告した。

 ホルモン剤を混ぜた餌の投与での効果が予想を下回り、一時期100匹を割り込んだサルは、現在117匹に増加した。このため同局は、京都大学霊長類研究所などから助言を得る形で、新たな抑制策を検討していた。

 この方法は俗に「インプラント手術」と呼ばれ、メスザルの肩の部分を切開し、黄体ホルモンの入ったカプセルを埋め込むことで妊娠を避ける。作業は同研究所の職員が10月23、24日に実施。同局によると、同様の手術は札幌・円山動物園など全国各地の動物園で行われているという。

 この日の審議会で各委員からは「避妊、去勢手術の方がいいのでは」との意見が出され、斉藤真博管理部長は避妊や去勢手術の功罪を説明した上で、「ホルモン剤は一度埋めたら続けて埋めなくてはならないというのが専門家の意見。餌での投与は行わず、インプラント手術で飼育環境を向上させたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社



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