高橋病院で道南初電子カルテを導入
update 2003/12/2 10:48
函館市元町32の高橋病院(高橋肇院長)が1日、道南で初めて、外来での電子カルテシステムの運用を開始した。医療スタッフ間での情報のやり取りがスムーズとなるほか、カルテ改ざんなどが難しく、患者にとってもメリットが大きい。同院では既に今年7月、入院部門で電子カルテを道南初導入しており、道南医療の“電脳化”の先駆的存在として、広く注目を集めそうだ。
電子カルテは、英語やドイツ語など、医師によって書き方の違う従来のカルテに比べ、日本語で統一されるので読みやすく、各医師の「くせ字」の判読が必要ないのが特長。「なぜこの薬が必要か」「なぜレントゲンを撮るのか」など、医師の考えが現場に伝わりやすく、スタッフ間の意思の疎通が図られることで治療効果の向上も期待できるという。
また、同院では患者の希望に合わせ、カルテの開示を行っているが、従来のカルテは専門知識のない患者にとって解読するのが難しかった。電子カルテでは、日本語で、読みやすい字で印刷されることや、病名が別枠ではっきりと示されるなど、専門知識がなくても内容を理解しやすい形式となっており、「患者さんのニーズに応えることができる」(同院)。
情報管理については、あらかじめ登録されている指紋との照合で合致しない限りカルテを開くことができないなど、高度なセキュリティーシステムを備えており、「個人情報の流出はない」と同院。入力時間などの情報が記録されるため、カルテ改ざんなどの心配もなく、「患者さんには今まで以上に安心して受診してもらえる」(高橋院長)という。
運用初日の同院は、パソコン操作にとまどうスタッフの姿もみられるなど、慌しさがあったが、高橋院長は「すぐにスムーズにいくようになる。これからも地域医療に貢献できるよう、透明性を大切に診療していきたい」と話していた。(後藤泰良)
提供 - 函館新聞社
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