措置命令場所以外での改善命令発令検討へ

update 2003/11/27 11:46

　函館市の小野知博環境部長は２６日、市内の産業廃棄物中間処理業者「三和廃棄物処理産業」（現・清算法人）の不法投棄事件に関し、地域住民が原状回復を求めている措置命令場所以外での「改善命令」の発令を、今後検討する考えを示した。

　同日の市議会民生常任委員会（中江捷二委員長）で、竹花郁子委員（無所属）の質問に答えた。

　三和の不法投棄で市は昨年６月、三和に対し、木くずなどが大量に埋まっている場所を「生活環境に影響を及ぼす恐れがある」として措置命令を発した。

　一方の地域住民側は市に対し「措置命令場所以外にも廃棄物が埋まっている」と、再三指摘したため、市は今月、措置命令場所以外の地点を計３回掘り起こし、がれき類が埋まっていることを確認した。

　市はその一方で、廃棄物の中心はがれき類であるため、「生活環境に影響を及ぼす恐れはない」として、新たな措置命令を出さない考えを示していた。

　この日の委員会で小野部長は「三和は現在清算法人となっており、経営基盤がない中で命令を発するのはどうかと思う」と前置き。その上で「廃棄物処理法に裏づけされた行政命令が住民への信頼回復につながるなら、考えを修正し、新たに発令する方向で法律的に詰めたい」と述べ、前向きに検討する意向を示した。


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　「措置命令」と「改善命令」との違い　措置命令は廃棄物処理法上、生活環境に影響が及ぶ危険性のある場合、改善命令は同法が定める構造・維持管理基準及び処理基準に違反した場合、それぞれ行政が発令できる。

提供 - 函館新聞社

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