半身まひ克服し、押し花の作品作り

update 2003/11/27 11:45

 【七飯】半身まひを克服し、押し花の作品作りに取り組み続ける女性がいる。七飯町本町の家事手伝い、成田球子さん(46)だ。脳の病を患った当初は右半身が全く動かず、言葉を話すこともできなかったが、懸命にリハビリを続けた。その結果、日常生活はもちろん、訓練の一環として始めた押し花では、講師資格を取るほどの腕前になるまで回復した。成田さんは「今後も作品作りを楽しんでいけたら」と笑顔で話している。

 体に異常をきたしたのは1992年。診断の結果、重い脳の病気であることが判明し、繰り返し、手術を受けた。その後は右半身のまひをはじめ、言語障害、一時的な記憶喪失など、後遺症との闘いの日々だった。

 押し花は99年ごろに始めた。元々、絵を見るのが好きだったほか、デザインの専門学校に通っていたこともあり、自宅でできるリハビリの一つとして、スタートした。

 材料となる草花は、リンゴ農家を営む自宅の敷地内で調達している。「1枚の絵として、全体をデザインする工程が最も楽しい時間」といい、週に4、5日、もっぱら落ち着いて作業できる夜を使い、作品作りに精を出している。

 体は徐々に回復し、2001年にはインストラクターの資格を取得。昨年からは作品を町保健センターで展示する試みも始め、ほぼ季節ごとに作品を取り替えている。

 「多くの人に見てもらえ、創作には良い刺激です」と話す成田さん。「今後は草花だけでなく、布や紙など、ほかの素材も作品の中に取り込み、新たな世界を広げたい」と、意欲いっぱいだ。

提供 - 函館新聞社



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