神山3の権現台場遺跡で竪穴住居跡など発見

update 2003/11/26 12:05

 函館市神山3の権現台場遺跡で、市道の舗装工事に伴う発掘調査がこのほど行われた。約4500―5000年前の縄文時代中期の竪穴住居跡や墓跡のほか、土器や石器約2万点が発見され、市教委文化財課では「大規模な集落だったことがあらためて分かった」としている。

 権現台場遺跡は神山稲荷神社(神山3)境内の一帯に広がっており、縄文中期の大規模集落のうちの一つ。市教委ではこれまでに1979、89年に発掘調査を行っている。今回は、遺跡を貫いて通っている市道の舗装工事が本年度中に行われるのに先駆けて行い、約920平方メートルを発掘調査した。

 調査は10月15日から11月18日まで、市職員や作業員ら17人で実施。その結果、竪穴住居跡を17カ所、食べ物を貯蔵していた場所とみられる「ピット」と呼ばれる穴を22カ所発見。狩猟用の落とし穴が2カ所、副葬品の入った墓の跡も1カ所、それぞれ発見された。

 土器、石器は約2万点。縄文中期を象徴する円筒土器のほか、約6センチの石のナイフ、矢じり、石斧(せきふ)などが出土。

 このほか、幕末期に日高管内様似町から移されたとする東照宮の遺構とみられる、排水用の溝や瓦などが見つかった。

 市教委は今回の調査結果をまとめた報告書を来年度にも作成する予定で、「道道函館上磯線(産業道路)付近に点在していた集落の中でも、大きいものと考えられる」(文化財課)と話している。

提供 - 函館新聞社



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