海洋深層水の取水施設が完成
update 2003/11/22 13:23
【熊石】熊石町が同町根崎の熊石漁港内で建設を進めてきた、海洋深層水供給施設完成式が21日、現地で行われた。同町は12月から水深343メートルの海底から、日量最大3500トンの深層水をくみ上げる。深層水は栄養塩類が豊富で、町内でのアワビ養殖などに利用するほか、漁港内の総合交流施設では、スタンド形式の分水施設で一般向けに販売する。
完成式で藤村正二町長は「桧山管内の新しい資源として観光や地場産業の育成を進め、新しい道南の可能性を切り開きたい」とあいさつ。式典には福原賢孝道議、濱谷一治江差町長ら桧山管内の町長らが出席。伊藤満桧山支庁長は「深層水を養殖や加工に利用したアワビやスケソウは安全・安心の食品として期待が大きい。新しい桧山ブランドの商品として育てたい」と祝辞を述べた。
同施設は2001年度に着工。総工費は約20億円。沖合約4キロ、水深343メートルの海底から日量最大3500トンの深層水をポンプでくみ上げる。
深層水は、魚介類の成長に必要なミネラルが豊富で、表層の海水より雑菌類が少ない。料理や水産物の鮮度維持にも利用できる。アトピー性皮膚炎の治療、血液中のコレステロール値を下げる効用などもあるという。
同町は日量2500トンを同町平のアワビ養殖施設や同漁港の衛生管理用水に供給。残り1000トンは専用管を通じて地場企業に給水。漁港内に完成した総合交流施設では、企業や消費者に販売する。
交流施設にはポリタンクなどに給水する小型スタンドを設置。消費者向けに深層水20リットル「を100円で販売する。コイン式スタンドで、誰でも好みの量を購入できるのは全国でも初めてという。
供給スタンドの利用開始は12月1日から。年末年始(12月31日―1月3日)を除く午前9時から午後5時まで。業務用(1立方メートル、町内300円、町外600円)にも供給する。問い合わせは、同町海洋深層水課TEL01398・2・2300。
提供 - 函館新聞社
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