おせち商戦不況知らず

update 2003/11/17 10:47

 函館市内のデパートで、今週からおせち料理の予約が始まる。手作り派も健在ながら、手軽で豪華な既製品を求める傾向が年々高まっており、おせち商戦は不況知らず。核家族化の進行などから少人数向けの商品が増えているほか、定番の和風おせち以外にも、洋風、中華、多国籍など、年々種類も豊富になってきている。

 丸井今井函館店(函館市本町)は、昨年より1週間早い20日から予約を開始する。種類は、昨年より10種類増やして約50種類。今年は、過去最高額となる6万円の商品も登場。20日から1週間は地下催事場に専用窓口を設け、店頭で予約を受け付ける。

 棒二森屋(同市若松町)でも、例年より早い22日に予約をスタート。4000円から5万円まで、約40種類の商品をそろえ、フリーダイヤルで受け付け。29日からは、店内に開設するギフトセンターでも対応する。

 両店で人気が高いのは、函館市内の料亭「冨茂登」、湯の川の老舗旅館「竹葉新葉亭」「わか松」の特製おせち。全体的には2―3万円前後の商品が売れ筋だが、「高価なものから売れていく」(棒二森屋)傾向も。景気低迷が続く函館だが、「お正月くらいは」と奮発する家庭が多いのか、おせち料理に限っては両店とも年々、単価や売り上げを伸ばしているという。

 核家族化などにより、手ごろなサイズのおせちが好まれる傾向も出てきている。「かつては4―5人用が主流だったが、昨年、一昨年あたりから1―2人用、3―4人用が増えている」とは、棒二森屋。丸井今井函館店でも、少人数向けの「ミニおせち」を増やしている。

 デパートよりひと足遅れ、12月に入って予約のピークを迎えるのが、ホテルやレストラン関係。和食、洋食、中華のおせちやオードブルをはじめ、寄せ鍋セット、すし盛り合わせなど、それぞれに趣向を凝らしたメニューを取りそろえている。

 また、和食以外の専門店で正月向け商品を始めるところも。レストラン・バスク(同市松陰町)ではスペイン料理のおせちを限定20食(2万5000円)、カフェ&レストラン「ビーズ・ビー」(同市柏木町)では洋食オードブルを限定30食(1万円)用意するなど、“個性派”も増えつつある。

提供 - 函館新聞社



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