地方制度調査会答申受け、反応に温度差
update 2003/11/16 00:44
地方制度調査会(首相の諮問機関)が13日、現行の合併特例法の期限後となる2005年4月以降、新法を制定し、人口1万人未満の自治体の合併を促進させる答申をしたことを受け、道南の自治体にも波紋が広がっている。近隣との協議を始めていない自治体では「厳しい内容。早く他町と議論のテーブルに着きたい」(木古内・大森伊佐緒町長)と強く懸念する声がある一方、「従来通り、単独での存続を模索していく方針に変わりはない」(知内・脇本哲也町長)など、反応にも温度差が見られる。
道南では現在、渡島管内17市町村のうち、15市町村で法定や任意の合併協議会、もしくは検討組織(設立予定含む)を立ち上げており、桧山管内10町のうち、離島の奥尻町を除く9町が2つの任意協に分かれ、それぞれ議論をしている。
これら、近隣との議論を進めている市町村の受け止め方は「地方には厳しい内容だが、予想の範囲内。今後も議論を重ねていく方針に変わりはない」(函館や上磯、七飯など)との意見でおおむね一致。落ち着いて事態の推移を見つめている。
これに対し、ほかの自治体との協議に参加しておらず、いずれも人口が1万人未満の木古内町と知内町は今回の答申を重く受け止めている。
木古内町はかつて上磯町などに協議の開始を申し入れたが、依然として進展はみられない。今回、1万人未満という数字がはっきりと打ち出されたことについて、大森町長は「答申が出たことを含め従来通り、本当に追い詰められた状態だ。ただ、現状では具体的に議論に着ける相手が決まっておらず、手詰まりなのが実態だ」と苦しい状況を説明する。
脇本町長は今回の答申について、「一律1万人という答申は、地方の実状を無視しており、無責任極まりない」と怒りを隠さない。「(現時点では)単独での存続という方針を変更する考えはなく、住民投票の実施も考えていない」と話す。その上で「国は人口規模にとらわれない自治体存続の道も、しっかり提示すべきで、今後も地方から声を上げていきたい」と批判を込め語っている。(奥山秀俊・阿部里子)
提供 - 函館新聞社
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