江差でヒバの苗木600本植樹

update 2003/11/4 11:01

 【江差】未来の道南地域で、歴史的建築物の修復に使われるヒノキアスナロ(ヒバ)を数百年かけて育てるプロジェクトの第1歩として3日、江差町で「桧山古事の森の集い」(桧山古事の森育成協議会、道森林管理局函館分局主催)が開かれた。町文化会館での講演会に続き、同町椴川の国有林で約600本の苗木を植樹。林業の安全を祈る「五勝手鹿子舞」も披露された。約600人の参加者は「数百年後の住民に贈る宝物」となる、ヒバが生い茂る未来の森林に思いをはせた。

 「集い」で同協議会会長の渡邊捷美・江差信金理事長は「かつての『桧山』は文字通りヒバの大木が茂る地域だった。古事の森はヒバを育てる象徴的な取り組み」とあいさつ。同協議会顧問の作家・立松和平氏の「飛鳥時代から伝わる建築物を何千年先の子孫に伝えるには、これから植える1本の苗木が大切」とのメッセージを紹介した。

 続いて、未来教育デザイナーの鈴木敏恵氏が樹木や森を生かしたまちづくりについて講演した。

 記念植樹は椴川国有林で開催。江差水堀小6年の松井雄輝弥君が「小さな苗が大きく育ち、将来の町に役立つよう大切に育てよう」と宣言。約600人の参加者は30センチほどのヒバの苗木を丹念に植え付け、氏名を記した標識を添えた。標識には「結婚記念」や「子どもたちと一緒に大きくなって」など、願い事を書き込む参加者もみられ、数百年後の子孫たちが巨木の森を見上げる姿に思いをはせた。

 また、江差五勝手鹿子舞保存会(田中幹夫会長)が、道無形民俗文化財の鹿子舞を披露。エゾシカの争いや戯れの様子を勇壮に舞った。参加者はうっそうとしたヒバの森で演じられる幻想的な鹿子舞に酔いしれた。

 鹿子舞は江戸時代に江差でヒバ伐採に当たった人々が安全を祈り演じたもの。同保存会が森林で演じたのは約30年ぶりという。同保存会のメンバーで町職員の竹内強さん(32)は「森林での鹿子舞は写真で見ただけだった。とても気持ちよかった」と話していた。(松浦 純

提供 - 函館新聞社



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