江差追分の青坂さんに道文化財保護功労賞
update 2003/10/31 11:21
【江差】江差追分の伝承に取り組む江差町の青坂満さん(71)が、道文化財保護協会(北野真一会長)の第39回北海道文化財保護功労賞に選ばれた。31日午前11時から札幌市の道庁赤れんが庁舎で表彰式が行われる。青坂さんは「昔ながらの追分をこれからも歌い続ける」と喜んでいる。
同町鴎島で暮らす青坂さんは、漁師の父と仲間が歌う追分を聞きながら育った。1947(昭和22)年に初代近江八声師匠に入門。兄弟で聞いた初代近江師匠の追分は16歳の「青坂少年」をとりこにした。
「師匠は『孫の手』を上下に振って追分の節を教えてくれたね」と、自らも愛用の孫の手を振りながら追分を口ずさむ。
漁業のかたわらで修業を重ね、68(昭和43)年の第6回江差追分全国大会で「日本一」に。以降は各地の民謡大会やテレビ出演を通じて、追分の魅力を全国に伝えた。
現在は、江差追分会副会長、江差追分会師匠会会長などを務める。江差追分会館では、88年から専任指導員として実技指導に携わる。飾らない人柄が多くの人に親しまれている。
今も海に出ることがある青坂さん。「追分は命をかけて海を渡った船乗りの切なさや喜びを歌ったものだ。時代は変わっても人の魂や良心を揺さぶるのが本当の追分の姿だ。海と人、心の糧である追分を愛して、昔ながらの追分をいつまでも歌い続けたいね」と語る。
道内の文化財保護や文化財保護思想の普及に貢献した人をたたえる同賞は青坂さんのほか、松前藩の大名行列「月島奴振り」の保存に貢献、松前町芸能保存団体連絡協議会長として「松前神楽」の伝承や後継者育成にも尽力している松前町月島の田中廣三さん(73)ら2個人1団体に贈られる。
提供 - 函館新聞社
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