客層選別進むホテル界

update 2003/8/9 11:02

 日本銀行函館支店(市原好二支店長)は函館の観光入り込み客の構造変化をまとめた。大きな変化があったのはホテル業界で、2002年度は、湯の川地区が客層の選別化を図り、高級志向客層を取り込むところが目立った。その一方、市街地のホテルは低価格化や宿泊部門以外での売り上げ増加を図る動きがみられ、地区ごとの違いが浮き彫りとなった。

 市内15ホテルを対象にした調査によると、有珠山噴火の影響が出た2000年度を除くと、市内全体の入り込みはほぼ横ばい。ピークだった1998年度を100とした指数で、02年度は市内全体が99を示した。

 地区別でみると、湯の川地区が98年度から2ポイント下げ98。団体客が減少傾向にあり、集客のため価格競争を余儀なくされている半面、高級志向客層をターゲットにすることで、収益確保を図ろうとする動きが盛んとなっている。高級感を出した内装に改めるところや国際標準化規格(ISO)を取得し、接客サービスを向上させたり、食事のレベルを引き上げるホテルもあった。

 市街地は同年度比で3ポイント上昇し103。低価格化にともに、各ホテルはコスト削減への取り組みを強化。不採算部門の切り離しが進み、コンビニエンスストアとの競争を避けようとレストランを廃止し、自動販売機を設置しているところが目立つ。また、逆にディナープランを充実させ宿泊部門以外を拡充するなどの動きもあるという。

 同支店は〈1〉団体から個人・小グループ単位に挙行形態が変化〈2〉高級志向と低価格志向の二極化が進んでいる―などと分析しており、「宿泊ニーズや外部資本進出に伴う競争の激化による、地域ごとの戦略の違いが現れている」としている。

提供 - 函館新聞社



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