「モーリエ」再オープン
update 2003/8/7 11:53
外人墓地の一角にあり、函館湾を一望できるカフェテリア「モーリエ」=市内船見町23の1、吉田和子さん(51)経営=がこのほど、再オープンした。昨年秋に閉店したが、今春上映のオール函館ロケ映画「星に願いを。」の劇中に登場したことがきっかけとなり、常連客らの支援を受けて再出発。同映画はシネマアイリスで上映中で、夏の観光シーズンと相まって、カフェテリアはもう一度にぎわいそうだ。
同店はロシア人の祖母を持つ吉田さんが2000年4月に開店。窓外に広がる函館湾の眺望と、直伝のピロシキなどのロシア料理が評判で、市民や観光客の人気があったが、昨年10月から事情があって閉店していた。
その店が映画の撮影に使われたのは昨年4月。交通事故で失明し、声を失った主人公(吉沢悠さん)が生前、唯一、気を許していたマスターの喫茶店「CAFE JIN」の設定でスクリーンに登場。吉沢さんが相手役の竹内結子さんと会話するシーンなど、重要なロケ地として冨樫森監督も絶賛していた。
映画はことしの春に全国で上映され、映画を見た人々から「モーリエはどこ」という問い合わせが近所や市観光課に相次ぎ、閉店した店に足を運ぶ人もいたという。
思ってもみなかった反響に吉田さんは「もう一度やりたい」と、再出発を決意。店を愛する常連客らのバックアップをを受けて開店準備に取り掛かり、およそ9カ月ぶの7月27日に店の扉を再び開けた。
函館は夏の観光シーズンも真っ盛りで、店では観光客が劇中に登場した席に座り、ロシア料理や最高の景色を楽しんでいる。また、シネマアイリスでは、店の再出発を祝うかのように、同映画が偶然にも再上映(22日まで予定)されている。吉田さんは「映画が、もう一度チャンスを与えてくれた。再オープンの後、見ず知らずのお客さんから『おめでとう』と鉢植えの花を頂くなど、初めてのことばかりですごくありがたい。これからもゆったり、くつろげる空間を作っていきたい」と第2のスタートを生き生きと楽しんでいる。
今後は2階をフリースペースとして提供するほか、従来は行っていなかった11月―3月までの冬期営業も検討している。営業時間は午前11時―午後8時で月曜定休。問い合わせはTEL22・4190。(福士雅巳)
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。