鉢呂さん、8区への思い語る

update 2003/8/5 12:13

 次期衆院選で道4区(札幌市手稲区、後志管内)へ国替えする鉢呂吉雄前衆院議員。国替えに至った経過や、これまで活動拠点としてきた道8区への思いなど、鉢呂氏が道南の有権者にメッセージを寄せた。

 (聞き手・仁科裕章)
 (道4区への国替えは)つらい選択でした。道南の皆さんには13年間、海のものとも山のものとも分からないわたしを育てていただきました。本当に申し訳ないと思っていますが、どうにもならない、やむを得ないことだということも分かっていただきたい。

 選挙が近いとなれば、どこかの時点で決断しなくてはならない。比例単独が成就すればいいが、民主党本部からみれば、わたしは一番弱い部類の立場。現在の比例単独者が、比例単独で出るのを原則として認めていないのに対し、新たな比例単独者は全く認められないのです。

 その違いを最近分かったのですが、知事選に出馬したことは北海道の理由であって、中央ではこちらが期待するほど考慮されなかったということです。

 後援会との話し合いはつらかったですね。知事選で1度やって、また同じようなことをしてしまった。(次期衆院選には)無所属で立てという意見が7、8割ぐらいで、わたし自身そういう気持ちになったこともありました。

 しかし、小選挙区制の中で、個人的な思惑で動くわけにもいかない時代。そこで政治をやっていくという基本に立てば、おのずから「無所属で勝てる可能性が強いから出馬する」ということにはなりません。

 地方分権が仕上がっていない今、国の政治家であっても地元の問題を一生懸命にやらなくてはならない状況にありますが、本来は国政上の外交問題などを基本にしなければならない。小選挙区制度には、地元に張りついて小さな政治になってしまう弊害があるんです。

 あまり格好いいことをいうと、有権者には受けませんが、地方分権がきちっとできあがれば、小さな政治に重点を置く政治家は存在意義を失う。そういう小選挙区の弊害を打ち破っていくことは、誰かがやらなくてはならないことなのです。

 国会議員であっても、地元の課題に責任がありますから、4区に行っても8区の問題は従来通りやりますよ。4区と8区は日本海に囲まれた第1次産業中心の地域。小樽と函館は歴史的にも抱えている問題が似ている。ある後援会の方は「国替えを望んではいないが、早く国政に復帰してほしい。4区に行ってもWTO(世界貿易機関)などの課題は同じ」と送りだしてくれました。

 予想される解散・総選挙まであと3カ月ですが、思えば13年前も出馬表明から投票日までちょうど3カ月。当時はいろいろとお世話になっていた今金町の皆さんのパワーがすごかったですね。労働組合も新人なのに票割りが現職より少なく、その点が逆に反発心になった。(当時、函館市議だった)金田(誠一衆院議員)さんも応援したいと願い出てくれました。そういう人がいっぱいいたんですね。誰もわたしが勝つとは思わなかったでしょう。

 4月の知事選に出馬しようと決めた時期は、実は早かったんですよ。いくらわたしでも、要請されてすぐに返事をすることにはなりません。逢坂誠二(後志管内ニセコ町長)さんが不出馬を決めて、早い時点で出番があると思っていました。無謀かもしれませんが、熱意は前からあったんです。

 知事選を戦ってから、知名度は上がりましたね。国替え表明の帰りに4区に行ったのですが、高速道路の料金所の職員が、わたしのことを知ってくれていました。現職の佐藤静雄(自民党道連会長)さんに勝つのは簡単な問題ではない。わたしには後援会の手づるも、組織も秘書も何もない。マイナスからの出発で、考えれば大変なことばかり。それでも8区の支持者が「4区に行っても頑張れ」と4区の知人を紹介してくれ、心強い限りです。

 わたしは4区へ行っても、金田さんの選挙を応援するつもりです。わたしの支持者に濃淡があるのは否定できないが、わたしだって重複立候補で、「民主党」と書いてもらわなければならないし。4区出馬の組織決定は16日ぐらいになりますが、それまでの間、1人で4区を歩こうと思っています。小選挙区で当選し、政治活動を続けることで、8区の皆さんに恩返しできると信じています。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです