冷夏でホタル姿見せず

update 2003/8/2 10:32

 ホ、ホ、ホタル来ーい―。函館市見晴町にある見晴公園では、例年、今時期ともなると数千匹ものホタルが闇夜を飛び交うが、今年はホタルの数が極端に少なく、その幻想的なシーンが見られない状態が続いている。同公園のホタルを育て管理している函館ホタルの会(工藤恵美会長)では「冷夏続きで水温が上がらないことなどが要因」としており、“暑い夏”を心待ちにしている。

 同会は1991年に発足。同公園内の池や小川にヘイケボタルの幼虫を放流するなどの活動を続け、ホタルの里づくりに取り組んでいる。数年前までは100匹しかいなかったホタルも、昨年までに1万匹を数えるほどに増え、同公園は今や立派なホタル観賞スポットとなっている。

 例年、7月下旬ともなれば数千匹のホタルが光をともして暗闇を舞うが、今年はホタルの姿はどこにもなく、「正確な数は分からないが、1日までに10匹ほどしか確認していない」と同会。毎年、夏休み入り直後の1週間に行っている観賞会も今年は公的には実施しなかった。

 同会によると、ホタルの生育や飛翔は水温と関係があり、最低15度はないと飛び始めないという。函館では依然“涼しい夏”が続いており、水温にも影響を及ぼしているとみられる。「数日前まで水温はまだ氷点下だった。31日には3度まで上がったが、ホタルが飛ぶまでにはまだまだ」(同会)という状況が続いている。

 例年、観賞会には2000―3000人が訪れるが、今年は告知もしておらず、毎年通っている市民が数十人来ただけ。今年のホタルの数についても「飛んで見なければ分からない」としており、同会では、いつまでたっても暑くならない現状に気をもんでいる。

 函館海洋気象台によると、1日の函館の最高気温は23・5度で、8日までは最高気温が25度未満の日が続くという。気温が平年並み以上になるのは16日以降の見通し。同会では「冷夏だけが原因とは言い切れないが、これからの気温と水温の上昇に期待して、見守っていきたい」と話している。

 ホタルの観賞は自由だが、殺虫剤や虫よけスプレーなどは禁止。問い合わせは工藤会長TEL56・1978。

提供 - 函館新聞社



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