いばらの道へ……道南民主

update 2003/8/1 10:39

 鉢呂吉雄前衆院議員の国替えをめぐり、連合後援会幹事会は苦渋の選択を強いられた。大切に育ててきた“わが子”を手放さなければならない無念さ。不動の議席を築いてきたあるじを失い、道南民主党は、いばらの道を歩き出した。

 「わたしを気持ちよく送り出してほしい」。鉢呂氏が涙ながらに訴えると、支持者のすすり泣く声が会場いっぱいに広がった。2時間15分に及ぶ会合が終わり、会場から出てきた後援会幹部の表情は疲れを隠せず、悔しさをにじませていた。

 民主党北海道の国替え要請から一夜明けたばかりで、困惑する支持者からは、党本部に対する不満の声が続出。無所属で道8区からの出馬を求める主戦論も根強く、意見をまとめるには困難を極めた。

 「今でも無所属出馬が正しい選択だと思う一方で、最初から無理だったんだという気持ちもある」(後援会幹部)。最後にたどり着いたのは、鉢呂氏の党人として責任感。党を割ることに鉢呂氏本人の抵抗は大きく、支持者も党本部に反旗を翻してまで鉢呂氏を守りきれる保障はない。目を潤ませながら、鉢呂氏と握手を交わす支持者の胸中には、同氏を支えた13年間の思いとともに、中央の決定に対する無力感が広がった。

 保守が強い風土にもかかわらず、同一選挙区を地盤にする2人の衆院議員を輩出してきた道南民主陣営。その一角が崩れ、10月の衆院補欠選挙に出馬する金田誠一衆院議員が鉢呂票を集めきれるかどうかに次の焦点が移った。

 「鉢呂さんが出馬しなくても、金田さんの補選に力を入れないと、後援会の晩節を汚す」。保守系への鉢呂票の流出も懸念されるなか、鉢呂氏を支え続けてきた鹿島壮市幹事長は、自らその防波堤となることを誓った。

提供 - 函館新聞社



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