民主・自由党9月合併合意で比例単独候補容認も
update 2003/7/25 09:57
民主、自由両党が合併に合意したことで、次期衆院選の候補者調整をめぐり、両党が原則廃止を打ち出している比例単独候補が容認される可能性が出てきた。今春の道知事選に出馬した鉢呂吉雄前衆院議員を「比例単独1位」で処遇したい民主党北海道にとって、党本部を説得する格好の好材料といえる。ただ、道南の民主党関係者は旧社会党系が大半を占めるだけに、保守色の濃い自由党に抵抗感は強い。揺れ動く政局のはざまで、合併に対する関係者の驚きと戸惑いが交差する一方、比例の行方に強い関心が寄せられている。
自由党本部によると、次期衆院選の比例代表は原則、小選挙区候補全員を重複1位にする方針で、民主党の指針と差異はない。しかし、両党が競合する選挙区は全国で30カ所以上、道内では道2区(札幌市北区、東区)と道6区(上川管内)の2カ所あり、はじき出された候補の受け皿として、比例単独の復活が取りざたされている。
両党の合意書では、候補者調整について前回当選者と惜敗率の高い候補を優先する方針を示しており、道内2選挙区は民主党候補に一本化される公算が大きい。自由党道連幹部は「既に2候補者は公認予定者になっている。調整次第で、比例単独候補に回ることもあり得る」と、同党候補の比例くら替えを示唆する。
現時点で民主党は比例単独候補廃止の方針を固持しているが、合併を見据えて柔軟な対応に転じる可能性もある。方針が覆されれば、鉢呂氏の処遇問題をめぐる最大の障壁がなくなり、状況は一変。同氏が民主党本部から打診されている道4区(札幌市手稲区、後志管内)への国替えの根底が崩れ、比例単独1位での出馬が現実味を帯びてくる。
民主党道南総支部幹部も党の方針転換の可能性を否定しない。だが、党内には自由党へのアレルギーが強く、「外交や平和問題など政策の隔たりは大きい。10月の衆院道8区補欠選挙への影響が心配だ」(党北海道幹部)とする声も少なくない。
鉢呂氏の支持者からは、合併によるなし崩し的な処遇問題の解決を懸念する向きもあり、党道南総支部の板倉一幸幹事長は「自由党と合併と鉢呂氏の処遇は別問題。あくまで、鉢呂氏の政治活動を比例単独1位で保証することが優先されるべき。合併問題にのまれる形での決着ではなく、党本部には分けて考えてもらいたい」と警戒する。
一方、自由党も道南に支部開設の準備を進めている段階で胸中は複雑だ。「支持者100人規模で函館に組織を立ち上げようとしていたところ。政権交代を目指すのだからやむを得ないが、単独での党勢拡大に夢を抱いていただけに、複雑な思い」(党道連幹部)と困惑している。
提供 - 函館新聞社
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