障害者の男性が一人暮らし

update 2003/7/22 09:32

 生まれつき脳性まひの障害がある四村真さん(26)が、この春から函館市富岡町3のアパートで一人暮らしを始めた。これまでは市内の実家で両親とともに、または障害者施設で生活してきたが、ようやく長年の夢を実現した。四村さんは「障害がある当事者も健常者と同様、地域の中で生きていくのが本来の姿だと思う。私のチャレンジが、ほかの障害者の勇気、社会の理解につながれば」と話している。

 四村さんは函館市上湯川生まれ。小学校時代は自宅から市内の養護学校へ通い、中学校と高校は札幌市と岩見沢市で寮生活を送り、学んだ。その後、道内や埼玉県の障害者施設で生活。20歳の時に函館へ戻り、現在は七飯町本町の共働作業所ToMoハウス(山本修・西本愛共同代表)に勤務、副代表を務めている。

 一人暮らしは中学生ごろから、漠然と夢見ていた。「当事者は親と一緒に暮らしたり、施設に居るのが当たり前という風潮はおかしい。われわれ自身が社会に出て行くことが、この流れを変える近道」と感じていたといい、今年4月20日、ようやく夢を実現した。

 同作業所で勤務がある日は1日2回、休みの日・月曜日は3回、ヘルパーの訪問があり、炊事や洗濯、掃除などのサポートを受けている。部屋のかぎを自分で持ち、各種支払いもし、買い物にも出掛けるなどしており、「すべてを自らの意思で決める生活は、何ものにも代えがたい」と語る。

 四村さんは、この3カ月を振り返りながら、「われわれ当事者が当たり前に一人の人間として、差別されず、暮らしができるのが、真の地域社会であり、福祉都市だと言える。行政の各種制度の改善や人びとの意識も変えていきたい。そして、いつの日かだれもが地域の中で生き、仕事をする、そんな社会を目指していきたい」と訴えていた。

提供 - 函館新聞社



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