駅前交番・新岡さんにお礼状

update 2003/7/22 09:31

 函館の玄関口を守る警察官に温かい便りが…。5月末、列車を乗り間違えた青森県の女性(45)に、次の列車までの休憩と軽食を提供した、函館西署地域課係長で函館駅前交番勤務の新岡秀明警部補(54)に、女性からの感謝の手紙が届いた。「おいしかったです」。手紙には新岡警部補が入れてくれたコーヒーのイラストと感謝の言葉がつづられている。「こうした手紙は35年の警察人生でも片手で数えるぐらい。うれしい」と新岡警部補も笑顔を見せている。

 青森行きの列車のつもりが、森行きの普通列車に乗ってしまった女性。折り返しで函館に戻ったが、すでに青森行きはなく、5月23日午後11時半ごろに同交番へ。「すみませんが休ませてほしいのですが」との申し出に、新岡警部補は快諾。自身も青森県出身だけに弘前公園の花見など、ご当地話に花が咲いたという。

 また、帰りの切符はあったが所持金がなく、夕食も食べていないと聞き、チョコレートとカンパン、そしてコーヒーを提供。「今まで警察にお世話になったことがありませんが、こんなに親切にしていただき、ありがとうございました」と深々と頭を下げ、女性は翌24日午前3時ごろの列車で青森に帰った。

 手紙はその4、5日後に届いた。函館中央署の本町交番を振り出しに、外勤・地域畑を20年近く担当してきた新岡警部補。「困っている人を助けたまで。今までにも財布を落とした人にお金を貸したことはあったが、駅前交番に勤務してから手紙が届いたのは初めて」と話す。

 同署の今伸行地域課長は「常に相手の身になって、親切な対応をと教養しているだけに、函館の玄関口でこのようなことがあったのはうれしい。手紙は何よりの励みになります」と話している。

提供 - 函館新聞社



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