尿処理施設稼働に「待った」

update 2003/7/20 13:00

 【砂原】日本ハムの子会社で養豚の日本スワイン農場(本社・青森県百石町)の砂原農場(砂原町砂原4)が、ブタの尿を処理するため建設した浄化処理施設の稼動に対し、地元住民から反発の声が上がっている。処理した尿を近くの明神川へ放流するため、地域が嫌悪感を示している。同農場は「現時点では稼働を見合わせるしかなく、地域の皆さんに理解してもらえるよう、引き続き努力するしか方法はない」と頭を悩ませている。

 砂原農場にはブタが約1万2000頭おり、1日当たり最大で約100トンのふん尿が排せつされる。うち、ふんはたい肥化し、残る約80トンの尿は液体肥料に加工し、近隣農地へ散布していた。

 今回は上水道が未整備で、町民が地下水を利用している砂原町の実態を考慮。「液肥の散布は、いずれ行き詰まる恐れがある。早期に尿処理をクリーン化したい」として浄化処理施設を建設、6月に完成した。

 処理は微生物の働きを利用した一般家屋の合併処理浄化槽と同種の方式。水を加えて1日当たり最大250トンを、埋設管経由で約1・5キロ離れた明神川へ放水する計画だ。

 同社によると、水素イオン濃度(pH)や生物化学的酸素要求量(BOD)など、水質に関する数値は、いずれも国の基準をクリアでき、道の設置許可も受けている。

 砂原漁協(佐藤秀明組合長)とは先月、排水が原因で漁業被害が出た場合には補償をする内容で協定を締結。ただ、かつて、大雨の際にふん尿の流出被害を受けたことがある、付近の沼尻・二ツ山地区での住民説明会では「やはり不安だ」との声が大勢を占めた。このため、同農場は当初予定していた同月からの施設稼働を見送った。

 現在は施設機能の一部を使い、液肥化までの工程を実施し、従来通り農地へ散布。河川への放水は一切行っていない。

 これら現状について、町の山田誠助役は「類似施設の見学などをした上で、住民が判断し、円満な解決ができれば」と早期解決を望んでいる。  

提供 - 函館新聞社



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