高橋知事、奥尻でタウンミーティング

update 2003/7/15 11:04

 【奥尻】北海道南西沖地震の「10周年追悼式典」に出席した高橋はるみ知事は13日、奥尻町民との直接対話、「まちかど対話212」の締めくくりとして、町青苗支所で「タウンミーティング」を開催。鴈原徹町長、住民代表4人と、震災から10年を経た町の現状や課題について意見交換し、会場を訪れた約100人の住民が熱心に耳を傾けた。

 震災当時、高校生だった奥尻消防署員の三浦浩さん(25)は「災害直後は、消防が到着する前に住民だけで対処しなければならない時間ある」と述べ、住民レベルでの防災対策の必要性を強調。

 建設会社を経営する一方、ブドウや立茎アスパラの栽培など、新分野進出に取り組んでいる海老原孝さん(48)は「復興特需が去った今、雇用の場を維持することが最大の課題」と述べた。

 高橋知事は「1次産業や建設業など、本道の基幹産業の活性化は不可欠。バイオやハイテク分野だけでなく、生活に密着した分野での創業支援や新分野開拓が重要になる」との考えを示した。

 市町村合併問題に触れた鴈原町長は「本土との距離、復興に伴う100億円近い公債残高を考えると、他地域との合併や連携には懸念がある。単町での自立も考えなければならない」と訴えた。

 タウンミーティング終了後、記者会見した高橋知事は「合併に参加できない市町村では、道庁が関与して、行政サービスを合理的に提供する仕組みを検討する必要がある」との認識を示した。

提供 - 函館新聞社



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