被災の奥尻で追悼式
update 2003/7/13 10:27
【奥尻】全道で229人が死亡・行方不明となった1993年の北海道南西沖地震から、12日で10年―。198人の死者・行方不明者を出した最大の被災地・奥尻町でこの日、10年の節目となる町主催の追悼式が行われ、島全体が終日、静かな祈りに包まれた。
午後1時から青苗中体育館で行われた追悼式には、遺族や高橋はるみ知事ら約500人が参列。参列者は、葬送曲が流れる祭壇に菊の花を添え、静かに祈りをささげた。
高橋知事は、本道を訪れた天皇、皇后両陛下から、島の復興について特段の励ましがあったと報告。続いて「悲しみをこらえて故郷を再生した努力を痛感した。悲劇が二度と繰り返されぬよう本道を安全・安心の地とすることを誓う」と、追悼の辞を述べた。
津波で父と妹を亡くした、町臨時職員の野呂由美子さん(24)が「お母さんは、天国のお父さんの分まで、愛情を注いで立派に育ててくれた。これからは、亡くなった2人の分まで、お母さんを大切にします」と、遺族を代表して決意を述べると、会場からはすすり泣きの声が漏れた。
町内では、夜半にかけて、各地でガラス製の浮き球を使ったキャンドルに火がともされ、犠牲者のめい福を祈った。
提供 - 函館新聞社
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