鹿部最古の「盛田家住宅」今秋にも解体危機
update 2003/7/12 15:47
【鹿部】明治時代に建てられた網元の屋敷「盛田家住宅」(町内大岩29)が持ち主の転居により、解体される可能性が出てきた。1929(昭和4)年の駒ケ岳大噴火をくぐり抜けた、現存する建物としては町内で最も古い建築物だけに、地元住民からは存続を求める声も。所有する前町収入役の盛田榮一さん(72)=函館市桔梗5=は「購入して保存してくれる人がいればいいのだが…。すでに何件かの問い合わせが来ており、うまく話がまとまることを期待したい」と話している。
盛田さんによると、屋敷は青森から渡った先祖が明治時代の中ごろ建てたといい、すでに築後100年を超えているという。
土台にはイチイ、屋根にはヒノキ(現在はトタン)を用いた木造平屋建てで、広さは約200平方メートル。建築当時は石垣の上に建っており、29年駒ケ岳大噴火では多くの建物が火山灰に埋まり大きな被害を受けた中、この屋敷だけは石垣部分が埋まるだけで難を逃れた。
一方、盛田さんは今月、持病の治療に専念するため、主治医のいる函館市内へ転居した。屋敷が国道278号に面しており、冬場は屋根からの雪が直接、道路へ落ちることから「放置することは危険。次に住む人が決まらない限り、残念だが解体するしかいない」と決めている。
話を聞きつけた人たちから数件、購入や賃貸の申し出があったというが、いずれも決定にまでは至っていない。このままでは雪が降る前の秋までに、解体することになるという。
盛田さんは「建物全体が残ることが最善だが、一部を建築資材として活用してもらうだけでもいい。何とかよい方向で話をまとめることができれば」と話している。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。