家畜排せつ物処理施設建設で新地権者と概ね合意
update 2003/7/10 10:12
函館市亀田中野町に建設が計画されている家畜排せつ物処理施設に、同町住民から建設中止要望が出ていた問題で、市は9日、同施設の建設候補地を同町住民が経営する飲食店からの直線距離を約150メートルから約500メートルに伸ばした同町内の場所に変更し、新たな建設地の地権者と建設について概ね合意したことを明らかにした。これに伴い、市議会の経済常任委員会(白崎憲司郎委員長)は、付近住民から出されていた建設中止を求める陳情を不採択とした。
同施設は道農業開発公社が事業主体となり、国、道、市が補助金を支出してたい肥舎と尿だめを建設する計画で、同地周辺で養豚業を営む畜産会社が施設を運営する予定。市は3月の定例市議会で、昨年度補正予算に資源リサイクル畜産環境整備事業費として約1億円を提案し、議決されている。
しかし、同町の飲食店経営者が2月、「悪臭は死活問題」として、同施設建設に反対する陳情を道、渡島支庁、市、市議会に提出。市はこの後、住民への説明不足を陳謝した上で建設候補地変更を模索。ふん尿の悪臭軽減を図る目的で、当初の予定地から南に300―350メートル入った2カ所のうち、周辺が森林に囲まれた1カ所を候補地と定めた。
市議会に関する陳情は3月の定例会で一部が採択されたが、議員改選に伴い陳情そのものが廃案に。陳情者は5月に内容を一部変更して再度陳情書を提出したほか、この日の委員との懇談会でも「新たな予定地にも施設は建てないで」との姿勢をあらためて強調した。
審議では、高橋佳大委員(共産党)が「公社が定める実施要綱で、事業終了後の翌年度から8年間は道、市が施設管理に関する指導、監督措置を行う義務があり、施設管理者(畜産業者)は管理規定を定めなくてはならない」と指摘。三佐川稔農林水産部長は「建設後も、道や農協と連携して指導に努め、管理規定も、悪臭や施設の開閉などについて定めるものにしたい」と述べた。
採決では、4会派が「悪臭は軽減される」「施設は今後絶対に必要」などの理由で不採択、1会派が継続審査を主張、多数決で不採択が決まった。陳情者は「悪臭の影響が減るのは事実だが、死活問題に変わりはない。残念だ」と話している。
提供 - 函館新聞社
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