渡島管内のパスポート申請、バブル前水準に

update 2003/7/10 10:12

 渡島管内の2003年上半期(1―6月)の一般旅券(パスポート)申請数が、バブル経済前の1986年水準に落ち込んだことが9日、渡島支庁のまとめで分かった。申請数は前年同期比29・6%減の2333件で、87年の2634件を下回った。イラク戦争や新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の影響で、海外旅行離れが進んだことが要因とみられる。

 月別でみると、イラク戦争が勃発(ぼっぱつ)した3月は、前年同月比32・7%減の372件。さらにSARSの猛威が追い打ちをかけ、4月が同55・7%減の239件、5月は同55・7%減の224件と減少幅を広げた。地域別では、函館市が72・2%を占め、前年同期比30・0%減の1628件だった。

 近年では、海外旅行が増えだした86年の1994件に次ぐ少なさで、ピークの2000年(6019件)より6割以上落ち込んだことになる。米同時多発テロ後の2002年で3313件、湾岸戦争が起きた1991年でも2996件あり、SARSが及ぼした影響の大きさを物語っている。

 今後について、同支庁は「SARSの終息宣言、チャーター便再開などで、ある程度回復するのでは」(広報渉外係)と分析。6月の申請数は同42・7%減の259件となっており、減少傾向に持ち直しの兆しも見えている。

提供 - 函館新聞社



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