労基署への相談件数増加
update 2003/7/10 10:11
出口の見えない不況が続く中、函館労働基準監督署に寄せられる相談件数がじわりと増加している。今年6月までの半年間で同署に寄せられた相談は884件で、前年同期より69件、8・5%増加。内容も、解雇や賃金未払いなど切実なものが多く、中には労使協定の倍以上の残業を強いられたうえ、その分の賃金が未払いになっているという相談もあるという。同署では「労働条件が悪化してきている表れ。企業の苦しい経営状況は分かるが、適正な労使関係を」と呼び掛けている。
同署への相談件数は毎年増加。5年前の1998年に682件だった相談数は昨年、約2・5倍の1698件にまで増えた。いずれの年も相談の約半数は賃金に関するもので、次いで、解雇、労働時間と続き、今年も同じ傾向という。
厚生労働省では今年5月、「サービス残業」と呼ばれる賃金不払い残業の解消を目指すと発表した。しかし、残業代を請求すると会社の存続自体が危うい場合も多く、実際の現場で賃金不払い残業を根絶するのは難しいのが現状だ。
同署で相談にも当たっているある職員は、「昔は将来の出世のため自分からサービス残業するという図式が多かったが、今はリストラされないためや企業を存続させるため、仕方なく残業しているケースが多い」と指摘。「強制とまではいかなくても、“不法に使われている”と感じている人は増えているようだ」と話す。
同署では「時間外労働が増えれば健康障害のリスクは高まる。適正な賃金の支払いがなければ、労使の信頼関係も崩れる。苦しくても、労働環境は守られなければならない」と、賃金不払いなどの撲滅を目指し活動を強化する方針だ。
提供 - 函館新聞社
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