中村さんが郷土資料収集
update 2003/7/7 10:09
函館在住の郷土史家、中村正勝さん(78)は、古い新聞記事のスクラップ、絵はがき、紙幣、書籍など、さまざまな郷土資料を10代のころから集めている。数ある資料のひとつ、「北海道行幸記録」と題したスクラップ帳は、1936(昭和11)年に昭和天皇が北海道を訪れた際の新聞記事を切り張りしたもの。21年前、札幌の古書店で購入したが、特に「裏面に出ている記事が世相を反映していて興味深い」と、大切にしている。
記事は、函館新聞(当時)と小樽新聞(同)がほとんど。渡島・檜山管内で発生した事件・事故、災害情報、子供の清掃奉仕活動などの記事もある。日中戦争が近づき、中国との交渉経過なども頻繁に紙面に登場しており、「緊迫した状況がよく分かる」という。
このスクラップ帳の台紙には女性雑誌「主婦の友」が使われており、食べ物に関する記録も豊富。ジャムやソーセージ、イワシの南蛮漬け、梅酒、ブドウジュースなど、あらゆる食料品の作り方が写真やイラスト付きで載っている。米の代用品となるパン、少量の砂糖で作ることができる菓子なども紹介されており、庶民の食料事情や生活も伝えている。
中村さんは「当時は天皇陛下が来るからと、印画紙を使って立派な新聞を作っている。ただ、郷土史には裏側の記録が役に立つ。食べ物に関するものなど、非常に参考になる」と話している。
提供 - 函館新聞社
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