補選回避で解散・総選挙に鉢呂氏浮上

update 2003/7/6 15:21

 秋の衆院解散・総選挙を軸に、10月の衆院道8区補欠選挙が回避される公算が大きくなり、民主党の鉢呂吉雄前衆院議員が総選挙に道8区から出馬する可能性が5日浮上した。同補選には金田誠一衆院議員(比例道ブロック)の党公認が内定しているものの、総選挙になった場合の立候補者については「白紙で仕切り直しになる」との観測が一部に流れ始めた。鉢呂氏が求める比例単独1位の処遇に党執行部が難色を示している背景もあり、鉢呂、金田両陣営の駆け引きは波乱含みの展開も予想される。

 同補選は10月14日告示、26日投票を予定し、民主党道南総支部は今月中にも選対本部を立ち上げ、臨戦態勢に入る。だが、政局は補選を避ける方向で動きだし、補選告示前の同10日解散、11月9日投票が有力になっている。現時点で、同党が決めているのは金田氏の補選公認だけで、衆院解散を想定した実質的な論議はこれまで行われてこなかった。

 解散の流れに、金田氏周辺は「現実的な対応として、選挙に向けて一度走りだせば解散があったからといって簡単に候補は変えられない」と金田氏の“スライド登板”が妥当との認識を示す。

 しかし、党内には「金田氏はあくまで鉢呂氏が出馬できない補選での候補。金田氏の総選挙出馬までは機間決定されておらず、これから改めて論議すべきこと」と候補の見直し論が浮上。党北海道幹部も「総選挙の候補選びが今後論議されるだろうことは一般論として否定できない」と認めている。

 見直し論の浮上には、鉢呂氏の処遇交渉が難航していることが背景の一つにある。党北海道の中沢健次代表らが党執行部の岡田克也幹事長らと3回会談し、いずれも物別れに終わった。比例単独候補廃止の党側の方針は崩れず、鉢呂氏は逆に国替え出馬を求められている。中沢氏は要請を続けていく構えをみせているが、着地点は見いだせていない。

 ただ、今回の候補見直し論には鉢呂氏擁立の強行意見がある一方で、同氏後援会は「金田氏の補選出馬を認めただけに、慎重にやらなければならない」とする声があることも事実。小選挙区への返り咲きを望む声は水面下で抑えられているのが現状だ。

 同党の次期衆院選候補は、9月の党北海道臨時大会で出そろう。同支部幹部は「鉢呂さんの処遇が早く決まらないと、臨戦態勢が組めない」と党内事情に危機感を強めており、処遇決定の遅れが候補見直しをめぐる両陣営の対立に発展する可能性も否定できない。

提供 - 函館新聞社



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