白百合高「まんが甲子園」に出場

update 2003/7/2 12:43

 高校ペン児の夏も熱い―。函館白百合学園高校アニメーション部(前川知世顧問)が、8月8日から高知市で開催される第12回全国高校漫画選手権大会に初出場する。全国45都道府県から353校が応募した予選を通過しつかんだ全国切符に、部員は「全国大会でも満足のいく作品を描きたい」と意欲を見せている。

 通称「まんが甲子園」と呼ばれる高校で最もメジャーな大会。予選は5人一組でB4サイズの用紙に、テーマに沿った漫画を発表。審査員には、やなせたかしさん、里中満智子さんら第一線で活躍する10人が当たり、全国大会は30校が出場する。

 4度目の挑戦で全国切符を手にした白百合高の作品のテーマは「約束」。童話「鶴の恩返し」をモチーフに、主人公(鶴)に言われたとおり、いつまでたっても部屋をのぞかない男に、業を煮やした鶴が「突っ込み」を入れるという作品を仕上げた。

 4月中旬に予選のテーマが発表されてから佐治木萌(ももえ)部長(3年)はじめ、佐藤晴子さん、山田知美さん、赤坂美保さん(いずれも3年)と野崎綾乃さん(1年)でアイデアを出し合ったが決まらず、コンセプトが固まったのは締め切り5日前。そこから下書き、筆入れなど急ピッチで完成させた。

 苦労した末の作品だが、全国大会は意識していなかっただけに、全国大会出場の連絡を受けた際、前川顧問は「信じられなかった。生徒にも信じてもらえなかった」佐治部長も「予選を通るとは思っていなかった」と喜びと同時に驚きも大きかったようだ。

 全国大会は、その場で発表されたテーマに即した作品を5時間以内に書き上げるルール。初めての経験に、部員は今後、週末を利用しながら全国対策を取る予定だ。

 初めての大舞台に、前川顧問は「漫画で外に出ることはないので、普段の力を出し切ってくれれば」と期待する。佐治部長も「いろいろな人の考え方などを見て(部の)技術向上を図りたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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