上林さんが企業向けパソコンソフト開発

update 2003/6/30 09:28

 函館市高丘町の社会保険労務士、上林嘉和さん(56)はこのほど、高年齢雇用者(60―65歳)の手取り額を変えずに雇用コストを下げる、パソコン用シミュレーション「社長室の戦略」を企業向けに開発した。賃金見直しと助成金のやり繰りで最適賃金を瞬時に計算する新ソフト。グラフ表示や計算根拠など、賃金の組み立てが分かりやすい管理ツールを盛り込んだ。「人件費を下げ、良い人材を長く雇用できれば」と上林さん。7月中旬から販売を開始する。

 高齢者の給与計算などをする際に、自身が感じていた不便さを解消しようと発案。雇用保険、健康保険、厚生年金、所得税の料率を参考に「これらを一瞬の内に計算し、手取り額を下げずに支給賃金を下げるという妥協点を見出せないか」とアイデアを練り、高年齢雇用継続賃金と在職老齢年金などを組み合わせて開発に成功した。製作はホックス(札幌)で、この夏に商品化する。

 使用方法は「60歳到達時の賃金」「現在賃金」などの基本情報の数値を打ち込み、計画賃金を算出。本人手取り・会社負担と計画賃金がグラフで表示されるほか、グラフ中の希望域から賃金月額や年金、手取りなどを更新した画面へ戻すこともできる。「この機能は、これまでになかった」と上林さんは胸を張る。

 このほか、賞与などを見積もった来年以降の総報酬制にも対応しているほか、それぞれの数字の流れを追った説明式も確認できる。処理速度は従来の半分以下になるという。

 今後は料率の変化などに対応して第2、第3弾の開発も視野に入れている。ソフト開発が大都市に集中する中で上林さんは函館発のソフトづくりにこだわっており、「地元の元気印として頑張りたい」と意気込んでいる。

 2万8000円(税別)。Windows98(含むSE)、ME、NT4・0、2000、XP対応。自身が経営する「シーズ」などで販売する。問い合わせはTEL57・7054。

提供 - 函館新聞社



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