10代の妊娠中絶増加の一途

update 2003/1/10 10:40

　１０代の人工妊娠中絶が函館でも増え続けている。全国的な傾向と同様、人工妊娠中絶の件数全体としては減少傾向にあるが、１０代では逆に緩やかな上昇カーブを描き、全体に占める若年層の割合が高くなってきている。

　市立函館保健所（石井敏明所長）が先ごろまとめたデータによると、市内１９の医療機関が昨年度に取り扱った人工妊娠中絶は、２０９２件。００年度、９９年度に比べると総数は若干増えているが、１９８５年からの推移を見ると全体的に減少をたどっている。

　その一方で、１０代の人工妊娠中絶は９５年度以降、増加傾向にある。総数が減っている中で１０代が占める割合は着実に上がってきており、８５年度の９・８％から０１年度は１７・５％にまで増えている。

　さらに中絶時期は、年齢層が若いほど遅くなる傾向が。２０代以降では７週以内の妊娠初期で中絶する人が半数以上を占めているが、１０代の場合は半数に満たない状況。昨年度のデータによると、１２週から１９週で８％、２０週から２２週で２％が中絶している。

　函館産科婦人科医会の中野茂行会長によると「１０代の中絶手術の多さは、若者の性が開放的になっている反面、妊娠や避妊に対する認識が薄いことが要因。１０代はためらいや恐れによって親や相手の男性に言えず、受診時期が遅れる傾向にもある。２２週以降に入ったため、不本意な出産をしているケースもある」と話している。

提供 - 函館新聞社

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