企業整備、今年度に入り増加傾向
update 2002/12/16 14:28
事業所が1カ月に5人以上の解雇者を出した「企業整備」が今年度、渡島、檜山管内で目立っている。函館公共職業安定所のまとめによると、11月末現在、55件で解雇者数は合わせて897人。この5年間の同時期では、件数、解雇者数とも最多のペースで推移している。新規求人数も前年を下回る状況が続いており、事業所の雇用調整の動きが強まっている厳しい雇用情勢を裏付けている。
同職安では、企業整備状況を雇用失業情勢の指標としてはまとめていないが、雇用支援の体制づくりのため把握している。
それによると、1カ月に5人以上の解雇者を出した事業所数、解雇者の総数は、4―11月の累計で、1998年度が53件618人、99年度が48件564人、2000年度が47件619人、昨年度が37件577人。今年度は既に、昨年度1年間の62件1028人に迫っている。
事業の縮小や廃止などが理由で、業種は「特定の業種に集中しているわけではなく、全般にわたっている」(同職安)という。昨年度は前年を上回っていた新規求人数も、今年度に入って減少に転じ、4―10月期で前年同期比6・1%減となっている。
同職安では「これまで乗り切ってきた企業も、景気低迷の長期化で我慢も限界に来ているのでは」と推測。日本銀行函館支店では「企業の雇用調整の動きが続いている」とみる。
また、今年は企業倒産件数が前年を下回る小康状態が続いているが、連合北海道函館地区連合会では「倒産前に自主廃業という形を取るケースも出ており、年末、年度末にかけて要注意」と雇用環境の悪化を危ぐしている。
提供 - 函館新聞社
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