函館駅のシンボル、半世紀の役目終える

update 2003/6/23 11:27

 半世紀にわたって時を刻み続け、旧JR函館駅舎のシンボルとして親しまれてきた同駅舎の大時計が22日、静かにその役目を終えた。この日午前、多くの市民や観光客が見守る中で取り外し作業が行われ、思い出の大時計との別れを惜しんだ。

 大時計は1953(昭和28)年3月に設置。外側の文字盤と内側の構造部からなり、重さ約200キロ。文字盤の青は海と空を表し、港町・函館の玄関口を象徴する存在だったが、新駅舎開業に伴い取り外しが決まった。

 大時計の針が止まったのは22日午前零時。前日の21日は関係者らが見守る中、午後11時56分から4分間続けてチャイムを鳴らし、電源を停止した。

 22日午前9時から行われた取り外し作業は、委託を受けた電気工事業者が実施、針や外枠などの部品ごとに慎重に進められた。約4時間かけて文字盤と構造部を取り外し、その跡には「たくさんの思い出をありがとう」と書かれたプレートが掲げられた。

 周辺では、大時計の最後の姿を見届けようと多くの市民や観光客が集まり、次々に記念写真を撮るなどして別れを告げた。札幌市在住の岸本ユカリさん(32)は「函館での高校時代に知内の実家に帰る際、よく大時計を見ながら0番ホームへ走ったのを思い出す。お世話になりました」と話していた。

 JR北海道函館支社は今後、撤去した大時計を五稜郭車両所で一時保管し、具体的な活用策を検討することにしている。

提供 - 函館新聞社



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