習い事とクラブどちらを優先?
update 2003/6/10 11:31
市内の小学校で、児童や親から「クラブ活動や掃除の時間などを早退させてほしい」と求める声が目立ち始めている。児童が通っている塾や習い事などと、時間がぶつかるためだ。各学校では保護者に学校の教育活動を優先するよう、口頭や文書で呼び掛けている。函館市教委には今のところ報告はないが、今後、現状把握に努めるという。
クラブ活動は授業の一環で、3年生から授業に組み込まれている。子供たちは文化、体育系から好きなクラブを選んで活動している。2002年度の学習指導要領の改定で、年間35時間の実施規定はなくなったが、函館では、午後に週1時間の授業を行う学校が大半だ。
ある学校では月、火の6時間目にクラブ活動の時間を設定。昨年度から早退を願い出る声があるという。保護者と児童、担任の3者で話し合い、個別に習い事の曜日や時間の変更を依頼。本年度は今のところ保護者から1、2件の申し出にとどまっているが、学校便りなどで注意を呼び掛けている。同校の校長は「10年ほど前ではあり得ない。親の意識も変わった」とつぶやく。
別の学校では、学校週5日制の完全実施で授業数が増加し、掃除の時間がずれ込んだ。同校の教頭は「塾があるから当番を変えてほしいという依頼も多く、塾側と調整がつかず、数人は仕方なく要求をのんだ。一個人の都合で集団生活の規律を乱すのは好ましくない」と話す。
そうした中、学習塾と水泳、そろばんに子供を通わせる30代の母親は「低学年から続けているのでやめさせたくない。受講料も支払っているし」と本音を漏らす。
一方で、函館市内のある校長は「学校活動が最優先だが、子供の才能を伸ばすことも必要。習い事で一生の仕事を見つける可能性がある子供に、画一的な指導を押し付けるのは時代遅れかもしれない」との見方を示す。
こうした現状に、函館市教委指導室は「現状を把握し、早退を容認したケースがあれば、学校の活動を優先させるよう指導していきたい」としている。
提供 - 函館新聞社
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