都市エリア産学官連携促進事業に道内から函館選出
update 2003/6/6 09:35
文部科学省が進める「都市エリア産学官連携促進事業」の本年度新規実施候補地域に、函館市が道内から唯一選ばれたことが5日、分かった。「水産・海洋に特化したライフサイエンス領域」をテーマに、産学官連携でコンブやイカにかかわる開発、研究を進める内容で、所定の手続きを経て8月をめどに事業開始を予定。期間は3年間で、国から年間1億円の補助金が交付される。市は産学官で進める「函館国際水産・海洋都市構想」の起爆剤になると期待している。
市は今年3月、函館地域産業振興財団を中核機関として、北大大学院水産科学研究科や企業と連携しながら開発、研究を進めるとした事業計画を文科省に提案、5日までに内定を受けた。本年度は全国26地域が提案し、函館ほか9地域が選定された。
事業には同財団、同大学院のほか、公立はこだて未来大学、国立函館工業高等専門学校、道立工業技術センターが研究機関として参画。東和電気製作所、エスイーシー、共和コンクリートなど民間企業5社も加わる。
具体的な内容としては、函館近海だけで捕れるとされるガゴメコンブが、体内中の有害物質の吸収を阻害・排出する作用を持つ「フゴイダン」と呼ばれる成分を多量に生み出すことに着目。ガゴメコンブの生活史を解明し、これを応用したフゴイダンの陸上培養技術確立と関連産業の育成を図る。
イカにかかわる開発・研究は〈1〉品質保持技術〈2〉微生物制御高品質乾燥製品に関する〈3〉生物―遺伝子情報を応用した迅速細菌検査装置〈4〉イカ墨色素粒子の分離生成技術―などで、これらの成果を新産業創出に結びつける。
このほか、研究成果を他地域で公表するほか、同事業の推進委員会を設立し、事業、研究の各ワーキンググループを設けて人的交流の推進を図るなどとしている。
市は9日に東京で開かれる説明会に担当者が出席。所定の手続きを経て8月ごろからの事業開始を予定している。井上博司市長は「地域の将来にとって大変有益なこと。事業は水産・海洋都市構想に時宜を得たもので、今後も一層、産学官の連携を強めたい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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